TH式単音電子オルガン(1931)

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楽器名:TH式単音電子オルガン[名称は筆者による]
発明年:1931
発明者:濱地常康

日本で最初のラジオ雑誌を発行するなど、戦前のラジオ業界で名の知られた技術者である濱地常康(1898-1932)が1931年に、作曲家の本居長世の協力を得て『読売新聞』および『無線と実験』誌上で発表した単音電子鍵盤楽器。

GからCまでの30鍵に加え、左手で操作することでトレモロやスタッカート奏法を行うための鍵盤を備えていた。

三段階のオクターブシフト、右足で操作するボリュームペダル、左足で操作するスラーペダル[今で言うピットベンドだと思われる]を備え、機械的な仕組みでヴィブラートを付加することもできた。ステージではなく、家庭での使用が想定されていたため、拡声ラッパは筐体に内蔵されている。


参考文献

・濱地常康「私の名無し楽器に就いて」『無線と実験』15(1), 誠文堂, pp.48-49, 1931

藤野純也「1926年から1936年の日本における『機械音楽』としての初期電鳴楽器受容−特許文献と雑誌記事の分析に基づいて−」大阪芸術大学大学院2017年度博士論文

・高橋雄造「濱地常康の『ラヂオ』から『無線と実験』へ—日本最初のラジオ雑誌—」『科学 技術史』(11), 日本科学技術史楽界, pp.1-36, 2010

・高橋雄造『ラジオの歴史—工作の〈文化〉史と電子工業のあゆみ』法政大学出版局, 2011

・anon.「『マルテノ』に劣らぬ新楽器我国にも生る—ラヂオ研究家苦心五年の発明近く

AK から放送」『読売新聞』1931年3 月 4 日,7 面


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