楽曲分析一覧

槇原敬之の作曲法とスーパーマリオの関係

槇原敬之氏は天才だと思う。彼の曲を口ずさむと、えも言われぬ心地よさを覚える。「こんな単純なメロディは誰でも作れるじゃないか」と思った人は作曲してみるといい。いかに 「自然でワクワクする曲」を書くことが難しいかわかるはずだ。だから槇原は天才なのだ。僕は「ワクワク」の秘密を知りたくなった。

故桂枝雀氏は「笑いは緊張とその緩和である」という持論を持っていたそうだ。実は音楽も同じ原理で成り立っている。そこで僕は《もう恋なんてしない》のメロディを分析し、その緊張と緩和の変化を書きだしてみた。

歌は「君がいないと」という歌詞で始まる。生き生きとたメロディだ。次に「なんにもできないわけ…」と続くが、出だしとは一転、音はまるでボールが転がるように自然に下がっていく。緊張の緩和である。

そのまま下っていくとおもいきや「じゃないと」の箇所で、まるで道に段差があるかのように、一瞬ガクンとさがり、すぐに戻る。ここで聴き手の緩みかけた緊張が取り戻される。

「やかんを火にかけたけど」は緊張度MAXである。なぜMAXなのかは専門的になるので話さないが、興味がある人は添付した画像を見て欲しい。

ここで聴き手は、この先どうなってしまうんだろう、と不安に襲われる。しかし槇原はお客さんを不安にさせたままにしておくような無責任な人ではなかった。「紅茶のありかがわからない」と落ち着いたフレーズで聴き手を安心させる。

ここまで分析をしたところで「あれ?これって何かに似てるぞ」と気がついた。スーパーマリオブラザーズである。

ゲーム開始直後マリオは元気にBダッシュ、丘を登る。直後長い下りが続く。「なんだクリア楽勝だね」とプレイヤーは思うかもしれない。だがドSの任天堂そうは問屋が下ろさない。下りきったところにノコノコがいた!

なんとかジャンプして避けたのもつかぬ間、こんどはリフトが登場する。ヒヤヒヤしてジャンプしたところでキラーが飛んでくる!難所をクリアしたあとはツンデレのデレが現れる。中間ポイントだ。

面白いアクションゲームと面白い曲の構造はおどろくほど似ている。きっと、槇原氏がスーマーマリオメーカーでゲームを作っても面白いものができるんじゃないかな。

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