Revolution 9の魅力

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The Beatles のRevolution 9はあまりに過小評価されすぎていると思う。たしかにミュージック・コンクレートとしての芸術性は低いかもしれないが、ミュージック・コンクレートでありながら、拍子感やビート感のはっきりとしたコラージュは「ポップなミュージックコンクレート」として存在意義があるように思う。

また、構成もよく考えられており、決して世間でいわれるように「デタラメ」「非音楽的」というわけではないと思う。そこで試みにRevolution No.9の構成を分析を行った。その結果を以下に示す。

[A]

旋律やビート感、抑揚、ダイナミクスの変化がはっきりしているため曲中でもっとも聴きやすいセクション。本セクションの素材は曲中で通して使われており、主題提示部的な性格がある。[A]の内部は小さな3部形式+コデッタと解釈可能。1’10de主題IとIIが再現される。1’30以降は推移部的な性格を持つ。1’49のあたりで鳴り響くロングトーンから、パンニングを伴う断続的なブレイクへとつなげる構成は見事。

[A]が動的であるのに対し。静的な性格を持つ。最後に主題が現れセクションが閉じられる。

[C]

再び主題IIと主題I[A]で使用された様々な素材が雑多な音響の中から顔を覗かせる。変奏再現的な性格。

[D]

再び静的なセクションに入るが、[B]よりも派手な音響。最後に主題Iが再現。

[コーダ] [A]の最後のヒステリックなロングトーンと対をなすような柔らかい女声ロングトーンをきっかけに完全にリズムが静止。ジョンとヨーコの語りをもって曲が閉じられる。

このように全体を眺めてみると 動+静の二部形式+その変奏+コーダ という構成のように感じられる。


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