バンド活動の付加価値としての「セルフマガジン」

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人気もあり、固定ファンもいるごく一部のバンドを覗いて、大半のアマチュアバンドのライブの客は身内、あるいは対バンが呼んだお客さんである。

アマチュアの場合基本的には自分が楽しむために演奏する、要は自己満足で構わないと思っているし、「発表会」として割り切れば、身内中心のライブでもそれなりに楽しめる。しかし、何度かライブを行っていると欲がでてくるもので、身内以外の客をとりこむ、何か面白いことがしたくなってくる。ネット配信もその一つであるが、それに関してはまた別に書こう。

最近考えているのは、バンドの「セルフマガジン」を作り、ライブで無料で配付してはどうかというもの。「セルフマガジン」とは、カメラマン、ライター、ブロガー、セミナー講師のかさこ氏が提唱する、個人製作の冊子のことで、個人の事業や活動を世に紹介することを目的としている。

筆者の場合、電子古楽器研究の概要をまとめた冊子を作っておけば「どんな研究をやっているのか」という質問が、日常で飛んできたときに便利だと思うのだが、バンド活動にも応用できるのではないかと考えている。

内容は、バンド紹介、メンバー・プロフィールに加え、曲のアナリーゼ記事、機材のセッティングの詳細、読み物として楽しめる記事、マンガ等、要はクラシックのコンサートで配付される「プログラムノート」の豪華版のようなものをイメージしているのだ。

実はアマチュアバンドを観るお客さんというのは、お客さん自身も演奏家であることが多いので、ちょっとしたお役立ち情報を含む冊子を「ライブでのみ」配付したら、ライブに付加価値を付けることができるのではないかというアイデアである。文字情報が中心ならばカラーにする必要もないので、コピー製本屋さんに頼めばそうコストもかからないと思う。

セルフマガジンを作るバンドが増え、どこぞのバンドのセルフマガジンが面白いという話題が、SNS上で流れるようになると、アマチュアバンドの世界はもっと面白くなると思う。

なお、かさこ氏製作のセルフマガジン「かさこマガジン」のバックナンバーは日本セルフマガジン協会のWebサイト(http://selfmagazine.jp/?page_id=120)からPDF版をダウンロードすることができる。最新号は同サイトに示された手続きをとることで、印刷板を無料で貰うことができる。

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