Hey Bulldogの旧ミックスのかっこよさ

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THE BEATLESのリマスター/リミックス版は賛否両論があるが、僕は基本的には「賛」の立場を取っている。最近発表された、サージェント・ペパーの50周年記念盤のリミックスもこれまで「脳内で聴いていたペパーの音」を再現してくれたという印象で、自然とすら思えたし、初めてのリミックスである「イエロー・サブマリン ソングトラック」を初めて聴いた時はある一曲のある部分を除いてとても感動したことを覚えている。今回は唯一不満を覚えた「ある1曲のある部分」のお話。

ある1曲というのはHey Bulldogのコーダのこと。旧ミックスのCDを持っている人はぜひ確認してほしいのだけど、旧ミックスではジョンの語りが入る部分で、声以外のトラックの音量がフェーダー操作により下げられている。そして、シャウトと共に、再びフェーダー操作で大きなクレッシェンドでリズムトラックがせり上がってくる。このsubito piano, crescendoが、音楽的に極めて良い効果を生み出していてカッコイイ。このフェーダー操作※を誰が行ったのかは分からないが、ミキシングエンジニアも「演奏」に参加しているのである。

そのようなフェーダー操作が2009年のリマスターでは行われず、コーダは平坦な印象になってしまっている。他の箇所がハリのある良い音になっているだけに、残念でならない。将来Malus PumilaでHey Bulldogを演奏するときは、旧盤の”subito piano, crescendo”を生演奏で再現するつもりだ。

※モノラルリマスターでは、旧ミックスに近い効果が出ている、もしかしたらフェーダー操作ではなく、もともと録音レベルにムラがあり、リミックス版のコーダが平坦なのは、コンプレッサーによるものなのかもしれない。でもオリジナルの subito piano creccendoが何らかのエラーによるものだったとしても、そちらのほうが好きだな。


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