冨田勲氏の『月の光』 に収録されている《ゴリウォークのケークウォーク》で聴くことができるようなタンバリンの音をMS-20で作ります。余談ですが、松武秀樹氏によれば、《ゴリウォークのケークウォーク》で用いられているタンバリンの音はMaestro “Rhythm and Sound for Guitar”というギターをトリガーにしてパーカッション・サウンドを鳴らすための楽器だそうです。
タンバリンには皮が張られたタイプと皮が張られていないタイプがあります。ここでは皮が張られていないタンバリンの音を作ります。タンバリンのフレームには小さなシンバルが沢山付けられていて、フレームを振ったり、叩くことでシンバルがじゃらじゃらなる、そんな楽器です。
・芯の音を作る
タンバリンの構造をみるとアナログシンセで再現するのは難しそうに見えますが、実は意外と簡単にできます。ホワイト・ノイズを音源にして、レゾナンス付きのハイパスフィルタとローパスフィルターを通し、ハイパス、ローパス共にタンバリンのシンバルの周波数帯付近で発振させてやると、それだけでシンバルが複数鳴っている感じがでます。
・隠し味
ホワイトノイズをフィルターに通すだけでもそれっぽくなるのですが、よりリアリティのあるタンバリン・サウンドを演出するために、VCO2を使ってシンバルがじゃらじゃら鳴っている感じをさらに強調します。
MS-20のVCO2にはリングモジュレータがあるので(内部はどのような接続になってるのでしょう)スケールを2フィート、ピッチを+3付近に設定して、甲高い金属音を作り、ノイズを入力したサンプル&ホールドを用いてランダムなピッチ変調をかけてやります。クロックはやや早めに設定するのが良いでしょう。この音単独で聴いても、変な電子音にしか聞こえないのですが、ホワイトノイズとフィルターで作った芯の音に、ほんの僅か混ぜてやると、エッジが立ってリアリティが増します。
大きすぎるとシンセ・パーカッションにしか聞こえず、かといって控えめ過ぎても効果が出ないので、音量のバランスには十分気をつかうようにしてください。
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